中日ドラゴンズ 小林正人広報  「ナゴヤの凡田」に直撃インタビュー! グラゼニ×ナゴヤドーム「春の竜陣祭」特別編

2014年まで、ドラゴンズのピッチャーとして活躍した小林正人さん。

彼は、「中継ぎ」で「左投げ」で「サイドスロー」で……「丸顔(スミマセン!)」!!

となると、もう“ナゴヤの凡田夏之介”ですね。

現役引退後はドラゴンズの広報として、取材対応などで忙しい日々を送られている小林さんに、グラゼニ原作者・森高夕次と豊島わかながインタビューしました。(今回も撮影は末次まりのです)






豊島:以前から『グラゼニ』を読んでいらっしゃったそうですね?

小林:はい! 雑誌の特集で『グラゼニ』が紹介されていて、気になってコミックスを読んでみたんです。そうしたら……「オレのことが書いてある!!」って……(笑)。ワンアウトをとることも大変な中継ぎ投手の心理をとてもリアルに描いてあって、「この漫画は誰が描いているんだ? もしかしたら元プロなんじゃないか?」と思ったくらいです(笑)。

豊島:では、『グラゼニ』のワンシーンみたいに、ブルペンで選手名鑑を読むことってあるんですか?

小林:選手名鑑、むちゃくちゃ読んでますよ(笑)! リラックスできる試合展開のときに限りますけど。選手の「出身校当てクイズ」とか出し合ったり、マンガの通り年俸の部分もチェックしています。

あと、焼き肉を食べるシーン(『グラゼニ』第2巻収録)なんかもリアルですね。野球選手は体のケアにはとても気を遣っているんですが、焼き肉になると、ああやって片っ端から食べるんですよ(笑)。

豊島:凡田みたいに、自分の年俸と対戦する打者の年俸を比べて、やりやすいとかやりにくいとか思ったりしましたか?

小林:凡田ほどではないですね(笑)。自分よりかなり年俸の高い選手、たとえば巨人の阿部(慎之介)選手なんかからは、オーラを感じましたね。そういえば、ヤクルトにいた青木(宣親・現シアトルマリナーズ))選手が私の「ちょうど10倍」の年俸のときがありまして……打たれましたね(笑)。ちょうど10倍だと気になってしまって……。9.3とか9.5とかなら気にしなかったかもしれませんが(笑)。


↑焼き肉を食べる選手たち(『グラゼニ』第2巻第9話「倍数」より)



豊島:中継ぎとしてマウンドに上がる時って、ピンチやとてもプレッシャーがかかる場面が多いと思うんですが?

小林:そうですね。私はいつも物事をスーパーポジティブにとらえるようにしていました。試合の流れも読まないんです。劣勢の試合展開で流れに任せてマウンドに立つと、打たれちゃいますから。

都合よく解釈するんですよ。たとえばその日ヒット2本を打っている選手と対戦するときは、「今日打った投手と自分は投げ方が違うから、打たれない!」と思いながら投げます。その日ノーヒットの選手が相手の場合は「今日はこの人は打てないから大丈夫!」ととらえます。もし打たれたとしても「今日はたまたま自分の球に合う日だった」と考えますね。

豊島:なるほど。ところで、中継ぎ投手って一瞬で出番が終わってしまうこともありますよね。

小林:そうなんですよ。『グラゼニ』でも描いてあるとおり、リリーフであってもしっかり準備します。でも、一球でヒット打たれて交代、四球を出したら即交代、ということもしょっちゅうありますからね。時々、「自分は野球じゃなくて何か別のことをしているんじゃないか?」なんて気分にもなりましたね。

森高:高校・大学ではありえないことですよね。

小林:はい。似ているなと思うのが、バントの代打です。彼らは「決めて当然」、私も「抑えて当然」と思われながら舞台にあがり、確実に仕事をこなして、舞台を降りる。だから、川相(現巨人三軍監督・元中日二軍監督)さんとはよく準備の話などしましたね。いかに地に足をつけてマウンドに上がるか、ということをいつも考えていました。







豊島:そのような現役時代を終えられ球団職員になられて、生活は変わりましたか?

小林:プロ野球選手という職業は、すごいプレッシャーとの戦いなんだな、と感じましたね。やっているときはわかりませんでしたが、24時間すべてを野球に捧げる生活って名誉なことですが、プレッシャーもすごかったんだな、と。

豊島:今はどうですか?

小林:たとえば、「寝る」ひとつとっても、今は多少の寝不足でもなんとかなりますが、選手はそうはいきません。投手は夏でも長そで長ズボンで寝ます。

豊島:そこまでやるんですか?

小林:投手によっては、利き腕で重いものを持ちませんし、子供と一緒にお風呂に入らない、湯船に利き腕を浸けない、という人もいます。食事も朝昼晩キチンととります。私もほかの仕事をしたことがなかったので、当たり前のようにやっていましたが、大変な生活でしたね。選手は基本1年契約なんです。1年後にはかならず何らかの結果が出る。これは大きなプレッシャーです。

豊島:各球団の広報さんは、選手上がりの方が多いと聞きましたが。

小林:広報はメディアの方々からのお願い事と選手との橋渡しの役割です。選手出身だと選手の気持ちはよくわかります。選手は年間半分は家におらず、夜中まで試合をした翌日にデーゲームをするなど、大変な日々を送っています。いきなり普通の人に「この生活をやってみろ」といわれてもできません。ですから選手たちには野球以外の余計なプレッシャーをかけずに生活をしてもらいたいと思っています。

とはいえ、メディアの取材を受けるというのは、選手の露出になるわけですからいいことなんです。時間とタイミングが合えば、なるべく取材は受けるべきだと思っています。






森高:先ほどから話をしていて、小林さんの素晴らしい人柄が伝わってきているんですが、やはりスタッフとして球団に残るのは、人柄なんでしょうか?

小林:いや…私からは何とも……。いまこうして球団職員として働けているのは、人間として評価していただけたのかな、とは思っていますが……。

豊島:小林さんは凡田夏之介よりも柔らかい方ですね!

小林:いやいや…。でも凡田さんは、ちょっといやらしいとこ、ありますよね。

一同:笑!

豊島:ところで、大変恐縮なんですが、これ…凡田メガネなんですが、かけていただけますか?

小林:えっ!? 入るかな……。






豊島:わ!とっても似合います! 今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました!




■小林正人さんプロフィール

1980年群馬県生まれ。桐生第一高校、東海大学を経て2002年中日ドラゴンズ入団。左のサイドスローの“左打者殺し”の中継ぎ投手として活躍し、2014年現役引退。現在は中日球団広報として多忙な日々を送っている。

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